例えば夏祭りで使われ、使い終わった提灯って、なかなか置き場所に困るものですよね。
捨てられるなら捨てたいところですけど、来年に使うことがわかっている場合、捨てるわけにも行きませんし。
かと言って、置き場所も無いからと適当に収納しておいていいのか?頭を悩ます所です。
そこで和紙・ビニール問わず、ちょうちんを収納する時に気をつけたいことについて、オリジナル作成の専門店である提灯工場がお答えします!
特に長期保存になるなら、これからご紹介していくことに必ず気をつけましょう!
和紙提灯に防虫剤を入れなければならない理由とは?
和紙と言えば、なんでしょうか?そうです。聞くまでもなく紙ですね。
伝統的な技法により作り出された紙を竹ひごなどに貼り付けることで、提灯を制作しています。
和紙提灯と言うのは和紙と糊の、害虫が好む物で作られているため、無防備な状態で収納していると、知らず知らずの内に害虫たちの餌になる可能性が・・・。
その為、駆除する目的で防虫剤を入れておく!これが大事なのです。
提灯を食べる虫ってどんなの?
ご家庭で保管してある古本やダンボール箱などが虫食いの被害に遭われたことはありませんか?
この時に悪さをした虫の名を「紙魚」と呼びます。
画像引用|Wikipedia
紙魚は体長1cm程度の白く鱗の様な外見が特徴で、その繁殖力の高さに定評も。
見た目のグロさもあって、これが集団で来られると引きます。
他にも、エジプトのミイラを発掘した時に一緒に出てきたことからそう呼ばれる、死番虫。
古本に潜むダニのようなチャタテムシなどがいます。
特に紙魚はホコリが多く、湿度が高い場所を好むため、収納場所を気をつけないと、提灯が被害に遭う可能性がございます。
こうした紙を餌とする害虫を防ぐため、ちょうちんを収納保管する時には防虫剤が必須となるのです。
ビニール提灯を濡れたまま収納してはダメな理由とは?
ビニール提灯は、和紙とは違い、害虫の餌となることはありません。
しかし濡れたまま保管してしまうと、困ったことが起こる可能性があります。
それはカビの繁殖です。
カビはどんな所を好む?
カビが繁殖するのは湿度があり、温かな環境です。
例えば、夏祭りにビニール提灯を使ったのであれば、まだまだ外の気温は温かく、カビが繁殖しやすい温度になっています。
そこに、湿度の上昇をもたらす水気が残っている提灯、そして風もない場所で保管されたら、カビが繁殖するのに十分整った環境ではないでしょうか?
想像してみて下さい。
再び提灯を使おうと開いてみたら、びっしりとカビが繁殖していたとしたら・・・。
ちょうちんを収納するためには、開いたままではなく、閉じてしまうことが一般的なので、一見するとカビの繁殖に気付きにくい状況が生まれます。
そのため、開いた瞬間に驚きの事実とばかり、びっくりする展開が待っている・・・なんてことも。
そうならないためには、ビニールちょうちんを収納する時はくれぐれも濡れたままではなく、しっかりと水気を拭いて、乾燥させてからしまうようにして下さい。
虫を寄せ付けず、カビも寄せ付けない提灯の収納方法は?
和紙、そしてビニール製のちょうちんを虫やカビから守る収納方法があります。
もちろん、防虫剤やしっかりと乾かすことは前提ですが、それを行った上で、害虫やカビが嫌う環境を作り、提灯を収納すれば良いわけです。
風通しが良い場所
ホコリが溜まり、湿気が溜まるのは、風通しが悪いからです。
そのため、風通しの良い場所であれば、問題の発生確率を下げることが出来ます。
涼しい暗所を作り出す
暖かい場所は害虫とカビが好みます。
そんな環境を作らないために、気温を温める太陽光を防ぐ必要があります。
つまり、涼しいと感じる暗所こそ、提灯を保管するのに最適な場所です。
これは美術館での絵画保存を考えても、ご理解いただけるでしょう。
以上の2つを気をつけることで、圧倒的にちょうちんを安全に保管することができます。
なお、害虫の紙魚に関しては、ホコリが好きなのですが、同時に乾燥も好みます。
この点で、風通しの良い場所が必ずしも紙魚を寄せ付けない訳ではありませんので、防虫剤が必須となります。
ちょうちんの収納保管についての総括
ちょうちんの収納、そして保管。
それは、簡単な様でとても気を使うものです。
しかし、ほんの少しの気遣いです。
ほんの少しだけ、気を使うことで、提灯を長く使用できます。